まずプログラミング言語であるpythonを始めるにあたり、どのような環境で学ぶか迷うかと思われます。
環境構築方法は、主に3つあります。
- Google ColaboratoryというGoogle社が提供しているネット上でPythonを実行できる無料サービスを利用する方法。
- Pythonを公式サイトからダウンロードしては始める方法
- Anaconda(アナコンダ)でデータサイエンスや科学計算に特化したPython統合環境をインストールする方法
最初に私個人の意見を述べてしまいますが、基礎的なpythonの使い方を学ぶのであれば、Google Colaboratoryを使用するのが最も簡単な方法だと思います。
google アカウントさえあれば、無料で利用することができます。
Pythonを公式サイトからダウンロードしては始める方法とAnacondaをインストールする方法とでは、どちらも初期設定が煩わしく、初心者であればどちらでも設定の難易度は同じくらいだとと思います。
今回は、Google ColaboratoryについてとPythonを公式サイトからダウンロードしては始める方法について説明していきたいと思います。
Google Colaboratoryを利用する方へ
Google Colaboratoryとは
Google Colaboratory(略してColab)は、Googleが提供するクラウドベースのJupyterノートブック環境です。
Google Colabは、Jupyterノートブックと呼ばれる形式を使用します。
これは、コードやテキスト、画像、グラフを組み合わせることができます。セル単位でコードを書いて実行し、その結果を即座に確認できます。

Google Colaboratoryのメリット
- 開発環境を構築せずに無料で利用できる;
pythonのダウンロードや他のツールのインストール、またはIDEなどの面倒で難しい環境構築を行わずともブラウザ上でPythonを無料で使用できます。 - クラウド上での共同作業と共有が容易;
Google Driveに保存されるため、違う端末でも作業ができたり、ノートブックを共有し、他のユーザーと共同で作業することが簡単にできます。 - GPU/TPUの無料アクセス;
ColabはGoogleの強力なGPU(グラフィック処理ユニット)やTPU(テンソル処理ユニット)への無料アクセスを提供します。これにより、高度な計算が必要なタスクでも高速に処理できます。
ただし、無料版では他の人と使いを共有しているので、リソースには制限があります。高い性能が必要な場合は、有料版の検討も必要です。
Google Colaboratoryのデメリット
- セッションの制限;
Colabのセッションは一定時間が経過すると切断される制限があり、また同時に実行できるセッションにも制限があります。 - 一時的なファイル保存;
セッションが終了すると一時的に保存されたファイルやデータは失われる。永続的な保存が必要な場合は注意が必要です; - オフラインでの利用が難しい;
Colabはクラウド上で動作するため、常にインターネット接続が必要です。オフラインでの利用が難しいことが制約となります。
Pythonを公式サイトからダウンロードしては始める方へ
Pythonのダウンロード方法
簡単にダウンロード方法を書いておきます
- Pythonの公式サイトにアクセス:
- https://www.python.org/ にアクセスします。
- Downloadsをクリック:
- ページ上部にある “Downloads” をクリックして、最新のPythonバージョンをダウンロードします。
- インストーラーのダウンロード:
- 自分のオペレーティングシステムに対応するインストーラーをダウンロードします。
- インストーラーの
- ダウンロードが完了したら、ダウンロードしたファイルを実行してインストールします。指示に従い、オプションを選択しながら進んでいきます。
公式サイトからpythonをダウンロードするメリット
Anacondaと比較したメリットですが
- 容量が少ない(およそ100MB) ちなみにAnacondaは6GB以上あります
- 将来的に自分の環境に合わせて、カスタマイズしやすい(初心者の方はあまり気にしなくとも良いと思いますが)
Pythonをダウンロードした後はIDEの導入が必要
コードを書くための準備が必要です。コードを書くためにはテキストエディタかIDE(総合開発環境)を使う必要があります。開発を効率的にするのであれば、プログラムの作成から実行までの全ての工程を支援してくれるIDEを使用することを推奨します。
IDE
IDEはIntegrated Development Environmentの略で、総合開発環境と言います。IDEは、プログラムの作成、編集、デバッグ、コンパイル、実行などの作業を効率的に行うために設計されたソフトウェアツールの総称です。IDEは通常、複数のツールや機能を一つの統合された環境で提供し、開発プロセスをより効果的に管理できるようにします。
テキストエディタ
テキストエディタは、プログラムやスクリプト、マークアップ言語などのコードを書くためのツールです。これは、テキストファイルを編集する目的で設計されており、プレーンテキスト(文字だけ)を扱います。テキストエディタでPythonコードを書き、保存してからターミナルで実行するというのが基本的な流れになります。この方法はシンプルで手軽ですが、プロジェクトが複雑になると、IDEの利用がより効果的となることがあります。
IDEを推奨する理由
以下は、統合開発環境(IDE)を使用する際の主なメリットを5つピックアップして表形式でまとめたものです。
メリット | 説明 |
---|---|
統合された開発環境 | プログラムを書くツール、プログラムのエラーを見つけて直すツール、バージョン管理をする機能などが最初から備わっている。 |
コード補完 | コードを書く時、自動的に候補が出て、コードを素早く入力できます。 |
デバッグサポート | プログラムのミスを見つけたり、修正したりするのに役立つデバッガという機能が組み込まれている |
ビルドと実行の自動化 | 書いたコードをコンピュータが理解しやすい形に整えて、動かせるようにしてくれるビルド機能があり、プログラムの実行が自動的に行われ、手動での作業が少なくなります。 |
プロジェクト管理 | チームで作業を行う場合、プロジェクトを効率的に管理できるので、チームでの協力開発がスムーズに行えます。 |
総合的に、IDEは開発プロセス全体を効率化し、コードの品質や開発速度を向上させるための重要なツールとなっています。開発者はプロジェクトをより容易に管理し、複雑なタスクに対処するためにIDEを活用します。
おすすめのIDE3選
PyCharm
⭕️ メリット
- コードを整理したり改善したりする手助け機能:
- PyCharmは、コードの入力を手助けする機能やエラーを見つける機能、プログラムの品質を向上させる機能などが充実しています。これにより、大きなプロジェクトを開発する際にも効果的に作業が進められます。
- Webフレームワークのサポート:
- Django、Flaskなどの主要なWebフレームワークに対する統合サポートがあります。Webアプリケーションの開発がスムーズに行えます。
- 豊富なプラグインと拡張性:
- PyCharmは多くのプラグインをサポートしており、ユーザーが必要な機能を追加できます。これにより、開発者は自分の作業環境をカスタマイズできます。
❌ デメリット
- リソースの消費が大きい:
- PyCharmは豊富な機能を提供しているため、比較的高いリソースを消費します。軽量なプロジェクトや古いコンピュータで利用する場合、動作が遅くなることがあります。
- 初期設定が複雑:
- PyCharmの初期設定は他の軽量なエディタと比較して複雑かもしれません。
Visual Studio Code (VSCode)
⭕️ メリット
- 軽量で高速:
- VSCodeは軽量で高速に動作し、起動が速く、メモリの使用量が少ない特徴があります。これにより、リソースの制約がある環境でも快適に利用できます。
- 豊富な拡張機能:
- 多くの拡張機能が提供されており、ユーザーが必要な機能を自由に追加できます。言語サポート、デバッグ、テーマ、ツールなど、様々な領域にわたる拡張が用意されています。
❌ デメリット
- 柔軟性の制限:
- 豊富な拡張機能がある一方で、PyCharmなどの専門的なIDEと比較すると、特定の領域での機能が限られることがあります。
- 初期設定が複雑
- 初めて利用するユーザーにとっては、pythonに適した初期設定や設定の変更が少し複雑に感じられることがあります。
Jupyter Notebook
⭕️ メリット
- 対話的な実行環境:
- Jupyter Notebookはセル単位でコードを実行でき、実行結果が直接セルの下に表示されるため、対話的にコードを書きながら結果を観察することができます。
- 豊富な表示機能:
- グラフや表、マークダウン形式のテキストなど、豊富な表示機能を備えています。これにより、データの可視化や解析結果の説明を簡単に行えます。
❌ デメリット
- 対話的な実行環境:
- コードが多くなる大規模なプロジェクトなどでは、コードの変更や実行を複雑化にする。ただし、簡単なコードだと問題にはならない。
- 出力結果の不確実性:
- 大規模プロジェクトでは、コードの出力結果が予測可能であることが求められます。対話的な実行環境では、セルの順序や実行履歴に依存して結果が変わる可能性があり、この不確実性が問題となります。
まとめ
正直、初心者の方にとってはGoogle Colaboratoryを使うデメリットよりもメリットの方が強いと思います。環境構築という煩わしい作業を省くことができ、Pythonを使い始めるまでの敷居をグッと下げることができるからです。最適な環境構築をしようと思ったら、ネットや書籍などで調べても膨大な量があり、どれを参考にしていいかわからないですし、使用しているパソコンのOS(Windows,macOSなど)によっても設定方法が違うから混乱を招き、モチベーションの低下にも繋がると思います。
初心者であり、基本的なpythonの文法から始めようする方や機械学習の初学者の方々には手軽に利用できるのでおすすめです。
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